わかりやすい痔のお話 of 福岡の大腸・肛門科専門医による痔・肛門科・大腸内視鏡(大腸カメラ)のサイト 大腸肛門武者修行

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肛門の仕組み

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肛門は、正確には肛門管といい、長さは約3cm前後、胃や腸から続く消化管の出口のことです。歯状線というギザギザの直腸粘膜と肛門上皮の境目で直腸と肛門に分かれています。内側の直腸は自律神経によって支配しているため痛みは感じませんが、外側は皮膚とおなじ体性神経に支配されているため、敏感に痛みを感じます。痔のタイプによって痛みなどの自覚症状が異なるのは、発生する場所が違うためです。
 肛門は周囲にある内肛門括約筋と外肛門括約筋によって、排便時以外は締められていますが、筋肉と粘膜だけではピタリと閉じることができず、隙間ができます。この隙間を塞ぐために、肛門の粘膜の下の血管や筋繊維が結合してできたクッションと呼ばれる部分があります。このクッションは30歳を過ぎると徐々に老化し、排便時の圧力でクッションの血管が腫れあがります。これが痔の患者さんの5~6割を占め痔核の原因です。つまり痔は、肛門の構造が招く病気であり、誰でもかかる病気なのです。


痔の三大疾患

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痔とは通俗的に肛門に発生する多種類の病気の総称です。そのうち痔核、痔ろう、裂肛を三大疾患といいます。最も多いのが痔核で患者さんの5~6割を占めます。裂肛と痔ろうはそれぞれ1~2割程度です。

痔核

 痔核は便秘などによる排便時のいきみや長時間、座りっぱなし、立ちっぱなしの姿勢を続けることで肛門に負担がかかり、肛門クッションの血管が切れて出血したり、うっ血していぼのように出てきたものです。痔核は発生場所により内痔核と外痔核にわけられます。
痔核のくわしい説明や治療はこちらをご覧ください

裂肛

 硬い便によって肛門付近が切れたり裂けたりするもの。男性よりも女性に多い。出血は紙につく程度ですが、激しい痛みを伴うために排便を我慢して便秘になり、さらに症状を悪化させがちです。
裂肛の詳しい説明や治療はこちらをご覧ください

痔ろう

 肛門の周囲に細菌が感染して炎症を起こし、膿を出すろう管ができるもの。発熱と肛門周辺の痛みを伴います。どちらかというと若年から中年に多く、また男性に多いのも特徴。治療には手術が必要です。
痔ろうの詳しい説明や治療はこちらをご覧ください