痔の治療と手術についての質問と答え of 福岡の大腸・肛門科専門医による痔・肛門科・大腸内視鏡(大腸カメラ)のサイト 大腸肛門武者修行

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福岡の大腸・肛門科専門医による痔・肛門科・大腸内視鏡(大腸カメラ)のサイト 大腸肛門武者修行 since 2009-04-15

痔の手術についてのQ&A

手術前の準備は?

  • 手術前には特におおがかりな検査はありません。血液と尿の検査、レントゲン検査、心電図などです。
  • 手術の前日の夜に軽い下剤を飲んでもらいます。手術の当日は軽い浣腸をします。
  • 食事は前日まで普通にしていただいて構いません。手術の直前は食事はできません

手術の時間は?

  • 通常の痔の手術は短時間の手術です。痔核や痔ろうの手術でもほとんどが10~30分で終わります。

手術中の痛みはありますか?

  • 手術中は麻酔をしますので痛みはほとんどありません。
  • 通常、手術中は意識はしっかりしていますが、眠りたい方にはリラックスするお薬を使ったりもできます。

手術中の体位は?

  • 通常の手術(痔核手術や痔ろう手術)の場合、ジャックナイフ体位で行います。
  • 手術の一部(直腸異物摘出、直腸腫瘍切除、直腸瘤など)では砕石位で行うことがあります。
  • 外来の小「手術ではシムス体位やアベル体位で行うこともあります。

手術後の痛みは?

  • 手術の日から手術後1週間ぐらいは、特に排便の時に痛みがあります。
  • 多くの場合日が経つにつれて楽になります。
  • 痛みを怖がって便を我慢すると、便秘になり、よけいに痛くなるのでよくありません。
  • おしりの傷は排便しながら治していくものです。

手術後の排便は?

  • 手術の翌日から食事も排便もいつも通りにしてかまいません。
  • 排便の後は、坐浴などでお尻を洗い、その後十分に乾燥させましょう。

手術後の出血は?

  • 排便時に紙につく程度の出血がありますが、これは傷口からの心配のない出血です。
  • 傷の治りとともに出血も止まっていきます。
  • まれに出血が多く、かたまりとして出たり、下痢するように出る場合は、止血処置が必要なことがあります。

手術後の入浴は?

  • 手術の翌日はシャワー、翌々日から入浴できます。
  • 入浴は肛門を清潔にし、また血液の循環を良くしますので、傷も早く治ります。

家事や仕事の復帰は?

  • 普通の仕事なら手術後2週間ぐらいから始めるのが無難です。
  • 出血や痛みがなければ早く就業できる場合もあります。
  • 力仕事は1か月ぐらい控えたほうがいいでしょう。

自転車や自動車の運転は?

  • 通常、手術後2週間から大丈夫です。
  • 乗ってみて痛みがある場合は控えたほうがいいでしょう。

運動やスポーツは?

  • ゴルフやウォーキングなどは手術後2週間ぐらいからしてかまいません。
  • 水泳やランニングなどは1か月後くらいがいいでしょう。

食事やアルコールは?

  • 食事の制限は特にありませんが、食物繊維や水分は多めにとりましょう。
  • 過度の刺激物(こしょう、からし、カレー)などはしばらく控えましょう。
  • アルコールは手術後2週間くらいすれば少しなら大丈夫です。
  • 飲んでみて痛みや出血が強くなれば控えましょう。

退院後の生活は?

  • 退院といっても完全になおったわけではありません。まだ残っている手術の傷を早く治すためには注意が必要です。
  • 入院の時と同じように、便のコントロールとおしりの清潔が必要です。

手術の後遺症は?

  • 肛門科専門医による手術では後遺症はほとんどありません。

手術後の再発は?

  • 肛門科専門医による手術では再発はほとんどありません。
  • しかし、手術の後に便秘や下痢を繰り返したり、トイレで10分以上いきむことが続くと、手術をした部位以外に新たな痔ができることもあります。
  • 再発しないためには日常生活のアフターケアが大事です。